1 背中合わせのインタビュー

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私はさっきまで人数分のアイスバーが冷やされていたクーラーボックスから、あらかじめ濡らしておいたタオルを差し出した。 「もう、シャツで拭かないの」 額からぼたりと垂れてくる汗を、冷やしたタオルで抑える。 「あ、気持ちいい」 そう言って、目を閉じて額をぐりぐり押し付けてくる智ちゃん。 まだまばらに残っていたバスケ部員から、冷やかしの声が上がる。 「んで、実今日はどうしたの?部活?」 「え?メールしたでしょ。ちぃちゃんの代わりに私がインタビューするって」 そうだっけ、なんて言いながら首を傾げること約10秒、思い出したように智ちゃんは手を叩いた。 「そーかそーか、そうだった。だからずっと俺にカメラ向けてたのか」 「うわ、気づかなかったの?」 納得した様子で頷いて笑う智ちゃんに疑問をぶつけると、彼はあっさりと言ってのけた。 「いやぁ、実からのラブコールかな、なんて」 途端に私の頬に熱が集まる。 たらりと汗が一筋、流れ落ちた。 「ば、ばかじゃないの!?」
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