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「おはよう、今日もよろしく!」
爽やかな声と笑顔で事務所に入ってきたのは、俺たちの上司で、小林法律事務所所長の小林翔先生。
「おはようございます、先生」
ハルが立ち上がってお辞儀をするのに合わせて、俺も一緒に会釈する。
「おはようございます」
「……。」
頭を下げた俺たち2人を見てから、さりげなく周りを確認した先生は、デスクまで近づいてきてニカッと笑った。
「女帝がいない時は、敬語とかじゃなくていいんだぞ?佑希、遥」
「…翔ちゃん、それ聞かれたらヤバいんじゃ……」
隣のハルが眉をしかめるから、思わずキョロキョロ周りを見てから声を潜めて注意する。
「だいじょぶだいじょぶ。今見たけど、麗佳はいなかったし。
お前らに先生、なんて呼ばれたらなんか照れくさくてさー」
にへっと笑ったその顔はすごく人懐っこい笑顔で、俺も、仏頂面だったハルも思わず笑みがこぼれてしまった。
「残念だったわね、いるわよ」
「うわぁ!!!」
…今ぜっったい、気配消してた!
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