2人が本棚に入れています
本棚に追加
黒のパンツスーツをびしっと着こなすこの女性こそが、小林麗佳さん。通称『女帝』。
小林先生の右腕でありながらも、自身は弁護士の国家資格を持つ、バリバリのキャリアウーマンだ。
あ、ちなみに麗佳さんは先生の新妻ね。
口をぱくぱくさせたまま絶句している先生を置いて、麗佳さんはにこやかに笑った。
「…で?
もちろん頼んだ仕事は進んでるでしょうね、佐倉くん?」
「あー……、えー…、あ、ハイ」
うそつけ、と言わんばかりの鋭い視線に内心ビビっていると、
「…あと30分ほどかと」
いつのまにか座っていたハルが、ちらりと時計を見て言った。
え、まじ?まださわりしか手つけてないんだけど…。
「そう。じゃあよろしくね。
翔さん、行きますよ」
「はーい」
…翔ちゃん……完全に負けてる。
颯爽と進む女帝に付き従うように小姓はとぼとぼと歩いていった。
最初のコメントを投稿しよう!