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黒のパンツスーツをびしっと着こなすこの女性こそが、小林麗佳さん。通称『女帝』。 小林先生の右腕でありながらも、自身は弁護士の国家資格を持つ、バリバリのキャリアウーマンだ。 あ、ちなみに麗佳さんは先生の新妻ね。 口をぱくぱくさせたまま絶句している先生を置いて、麗佳さんはにこやかに笑った。 「…で? もちろん頼んだ仕事は進んでるでしょうね、佐倉くん?」 「あー……、えー…、あ、ハイ」 うそつけ、と言わんばかりの鋭い視線に内心ビビっていると、 「…あと30分ほどかと」 いつのまにか座っていたハルが、ちらりと時計を見て言った。 え、まじ?まださわりしか手つけてないんだけど…。 「そう。じゃあよろしくね。 翔さん、行きますよ」 「はーい」 …翔ちゃん……完全に負けてる。 颯爽と進む女帝に付き従うように小姓はとぼとぼと歩いていった。
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