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とまぁ、こういう経緯があり、ボクとレイラは王立フォギュアツに編入した。
サフィーリアには、昔、一度だけ下見に来たことがあり、国境警備のない抜け道を知っていた。
コネを使わずに学園に編入するのが難しかったので一か月もかかってしまった。
自己紹介を終えたボクらは、質問攻めにあった。
質問は、前の時と大して変わらなかったので、ほとんど同じことを話した。
レイラは、ほとんど答えなかったけど、そこはボクがフォローした。
そうやって、あたりさわり無くクラスの一員となった。
しかし、ボクはクラスの人気者になる気はない。
クラスで目立つ位置だと勇者が来た時に都合が悪くなる。
かと言って、逆に誰とも付き合わず孤立していたら、目立たな過ぎて目立つ、連がそんな人間を放っておく筈がない。
では、どんな立ち位置が理想的か…
それは…
「これから、よろしくお願いいたしますねマルスさん」
「ほう、このクラスの中で誰よりも先に僕へ挨拶にきたのか、君は見どころがあるじゃないか。気に入ったよ」
マルス=フォイン、大貴族の御子息でありプライドが高く貴族である事に誇りを持つ、おそらく後に悠斗から〇フォイと呼ばれるであろう生徒
その取り巻きの一人となる事だ。
連や悠斗も、まさかボクが〇フォイの取り巻きになっているなんて思いもしないだろう。
取り巻きと言っても媚びるような真似はする気はないけど…
正直、親の七光りに媚を売りたくない、というか地球では寧ろボクが媚を売られる側だったし…
コイツは、どうせ利用するだけの駒だ、無駄な投資などしたくない。
まぁ、そんな感じで編入一日目は無事に終わった。
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