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「おはよ─♪」
いつもと同じ
いや、ややテンションの高い義希の朝の挨拶に
「よっちゃんオハヨ─」
と更に普段からテンションの高い
仲間の二人…吉原と岩田が手を振る
達也は素知らぬフリで
義希に笑顔を向け
隣に座るナオミとのやりとりを盗み見る
「ハヨ」
「はよ~」
欠伸をしながら席へ
それは普段と変わらず
「…………」
昨夜見た
静かに、それでも痛みの映る姿には遠く
達也は不思議な感情に机に
うつ伏せ義希を見ていた
「も~夏休みだよ~」
「最後の!」
昼休み
吉原と岩田が見事なタイミングで
夏休みの話を持ちかける
「どこか行~こ~う~よ」
吉原が机にしがみつき
遊びたいと唸る
それに義希が小さく笑い
「行きたいとこあるの?」
と問いかけた
が、特に目的はないらしく
う~んと頭を抱えて
岩田、ナオミ、達也を見渡す
「ナオミちゃんは~?」
「え、俺?」
パンに食らいつこうとしたタイミングで聞かれ
少し慌てるナオミを義希は笑う
不意に肩が少し当たった
「あ、でもナオミちゃん駄目じゃん」
岩田が思い出したように
本人を指差す
「なんで~」
「だって彼女出来たんだろ?」
僅かに触れた肩が熱い
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