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岩田の台詞に
ナオミは今度こそ、と
かぶり付いたパンを吹き出し
動きを止めたのは2人…
「え、そうなの?」
とあくまで冷静に達也がナオミをチラ見する
「じゃぁ、夏休みは彼女とずっと遊ぶの~?」
あきらかにブスくれた表情で吉原が抗議
やや俯き言葉数の減った義希に
構わず岩田が聞く
「よっちゃんは知ってた?」
「あ~…うん
昨日…聞いた…」
ニッコリ
上手く笑えてるだろうか、そんな事を考えながら
込み上げてくる何とも言えない感情に席を立つ
「ちょーと、トイレ。っと」
小さく震える手を押さえつけ
教室を出てゆく義希を見送り
ナオミは胸の内でため息を吐いた
泣かせてばかりだと
はじめはその泣き顔が可愛くて
わざと虐めたこともあった
その義希が泣かなくなったのはいつの頃からか…
義希を追いかけようと
立ち上がるナオミよりも早くに
達也が席を立った
「水分足んね…
購買行ってくる」
チラと視線がぶつかり
チクリと痛んだ
それは、焦りか…
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