夏休みまで

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昼休みの喧騒の中 歩幅大きく廊下を進む ──…こんなにも─── 今、あんな些細なことで 泣きそうになって 逃げ出した、それが腹立たしい それでも、 それでも まだ堪えた方だと思うのだ 唇を噛みしめ トイレを通り過ぎ速足に階段を上がる ───顔を見た瞬間や 声を聴いた音や 不意に触れたところ… そんなことに 涙が出そうな程 胸が痛むのに… ああ、俺はこんなにも…──── 『立ち入り禁止』の貼り紙がされた屋上のドアを開けた その、後ろ手を掴まれた それは堪えた涙が溢れた瞬間 「あ、たらし…」 ズクンと胸の内がざわめく 無意識に掴んだ手に力を込めた 「……… 俺じゃ、ダメ…かな………」
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