蜃気楼 -2-

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時間は少し遡る。 ロベリアが妹を待つ、二時間前。 丁度、本日最後の授業が終わる少し前である。 ――何かが変だ その少女は、そう思った。 今彼女は二人の人物に手を握られている。 一人は彼女のルームメイトのユイ・メリエーヌ 優しくて、上品で、美人である。 そして、豊満な胸の膨らみは自身には無いものなので、羨ましくも感じる。 もう一人は、ユイの幼馴染の如月 葵 明るくて、少し乱暴な口調であるがユイと同じく優しい。 胸は残念だが、彼女の魅力は素直で真っ直ぐに相手と向き合う性格だと、彼女は思う。 二人は少女の友達である。 それは、彼女にとって大切で喜ばしい事実であった。 さて、その彼女は先程から違和感を察していた。 状況は変わりなく、右手をユイに、左手を葵に握られている。 そして、二人は導くように歩いて行く。 その真ん中を歩く小柄な少女の名前はコルドア。 青い髪に翠の瞳。右目には黒い布を巻き眼帯のようにしている。 そして、光が苦手な彼女には必要不可欠な帽子を被っていた。 また、LCアカデミー百期生の特待生でもある。
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