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「ユウ…」
その声に…絡まった手を振りほどいてヒカリを抱き締めた。
「ヒカリ…」
抱き締めた肩が、腕が、背中が細くて整髪料の良い香りがして…その香りを吸い込んだ。
「今日は一緒に…」
「うん…」
おでこに軽くキスをして、抱き締めたままヒカリを持ち上げた。
「ひゃあ」
小さな悲鳴をあげて、背中に回された腕に力が込められる。
「ヒカリ…
……めちゃ可愛い」
外でキスをするには、時間も酔いもまだまだで、溢れてしまう笑いを誤魔化したくて……そのままクルクル回った。
「ちょ…ユウ」
「フフフ…」
込み上げてくる幸せを抑えられなくて…
軽々持ち上がったヒカリをいつまでも離せなかった。
離れていた時を経て、気持ちが通じた瞬間だった。
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