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 月明かりに照らされて並んだ影を眺めながら、時折顔を見合わせて笑った。 幾度か角を曲がって長い坂を下った住宅街の中。 街灯の少なさと、考えられないくらいの静けさに「不用心じゃないの?」と何度も尋ねた。 見上げる空に、沢山の星が瞬く。 仕事に追われて空を見上げる余裕も無かった。 「夏の大三角だよ…」 「どこ…?」 「ほら、アレがベガでしょ…で、アレが~」 空を指差すヒカリの真後ろに立って、ヒカリの視線の高さまで腰を屈めた。 二人で星座を探したり月を見るのが好きだった。 声を潜めて… 西の空にはベガとアルタイル… 月は沈みかけていた。 「織姫と彦星って、会えたの?会えなかったの?」 「え…」 顔を向けたヒカリの唇に軽くキスをした。
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