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 狭いねって笑いながらヒカリを後ろから抱きしめて、身も心も満たされていた。 「夜行バスに乗って、ユウに会いに行ったんだよ…」 テレビを消して、真っ暗になった部屋。 「いつ…」 そっと伸ばした手はヒカリの唇に触れた。 「忘れちゃった…」 その手はヒカリの手に包まれた 「朝バス降りて、そのままユウの会社まで行った… 寂しくて…苦しくて。会いたくてヘンになりそうだったの でも、怖くて… 向かいのパン屋さんから、信号の手前の靴屋さんまで何回も歩いたの…」 「……うん」 包まれた手とヒカリの温もりと声に安心して…眠気に負けそうだった。 「ガラス張りのビルを何時間も見上げたわ。 ココにユウがいるって思うだけで、口から心臓が出ちゃいそうで…」 「うん…」 「靴屋のおじさんに……」 ヒカリの話は最後まで聞く事無く、眠りについた。
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