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アンティークの家具が配置された落ち着いた雰囲気のエントランスを抜けてベージュのタイルを進んで行くと、ロビーはガラス張りで吹き抜けになっていて、驚くほど明るかった。
久しぶりに顔を見せた俺に懐かしい顔触れが自然と集まって来た。
「本日はおめでとうございます」
世間話をしながら並んだ受付で、聞き慣れた声に振り返った。
薄いピンクの振り袖姿の彼女…ヒカリだった。
久しぶりに見た彼女に大学の頃のあどけない面影は無く、結い上げた黒髪や少しシャープになったフェイスラインは大人の色気を纏っていた。
突然の元彼女の出現に、声が出なかった。
新婦とは仲が良かったし、出席も不思議はないのか…
「久しぶり。今日はユウキくんも来るって聞いてたの」
自然に横に並ぶヒカリ。
「やっぱり、都会の人になっちゃったわね…」
上から下まで何度も往復する視線に、苦笑いで誤魔化した。
話を続けようと口を開けた時、大学の頃の友達を見つけたヒカリは、またねと俺から離れて行った。
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