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就職を機に地元を離れた。地元を離れた事が無かったから、親元を離れて生活する事に憧れもあった。
地元に就職の内定を貰いながら、誰にも話さずに決めた県外への就職。
俺の内定を聞いたヒカリは、『そっか…おめでとう』と言って寂しく笑ったんだっけな
親元を離れて大学生活を送ったヒカリは、この町で就職した。
地元に戻って就職する選択肢だってあったはずなのに。
新生活に夢見て、未来の自分を想像して、浮かれていた俺はヒカリを残してこの町を出た。
俺の描いた夢の社会人の生活は、夏が終わる頃には、知らない土地での独り暮らしの不便さや、現実の仕事の忙しさに身心ともに疲労は限界だった。
将来の約束もないまま始めた遠距離恋愛は1年も続く事無く、無責任に言葉も無いまま消えた。
つまらないプライドは、ヒカリに甘えることも自分の弱さを曝け出すことも許さなかった。
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