119人が本棚に入れています
本棚に追加
****
友達の多い二人らしいアットホームな雰囲気に締めの言葉を新婦がするという、予想外の結末でお開きになった披露宴だった。
式の間も披露宴の最中にも、ヒカリとの離れた時間の長さを感じていた。
新婦の友人代表でスピーチする姿に。
知らない男に、お酌されて笑顔でグラスを傾ける姿に。
一緒に学生時代を過ごした友人の結婚式という事もあって、もしあの時……と考えずにはいられない。
「ユウキ、二次会は絶対に来いよ」
新郎のマサキにしつこく約束させられ、逃げるようにタクシーに乗り込んだ。
「アンタには、伏線はってあるから。楽しんでよね」
新婦のミカコの声と同時にドアが閉まった。
久しぶりの帰郷に、すっかり忘れていたんだ。
アイツらは、世話好きだと言うこと…
ずっとヒカリを見てきたと言うこと…
最初のコメントを投稿しよう!