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 黙って俯く私に、ユウキは葉書を見せてくれた。 一人分くらい離れて座りるユウキ。 葉書は、リニューアルオープンの案内だった。 「信号の手前の靴屋…俺が入社して直ぐに店を閉めたんだ。 修行に行ってる息子が戻ってきたら、また店を開けるからって…」 おそるおそる上げた視線。 ユウキの声は、落ち着いていて、一つ一つ確かめるように、真っ直ぐ私を見ていた。 「それが、3ヶ月くらい前だよ… ひーちゃんは…夜行バスに乗って、何しに来たの? プロホーズ…もぅ返事をした?」 どうして… 驚きすぎて、言葉も出ない…ただ、目を見開いてユウキを見つめた。
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