119人が本棚に入れています
本棚に追加
「寝てたんじゃなかったの…」
やっと出た声。
ユウキは、テーブルを見つめたままだった。
「ゴメン、あの時…
腕が痺れて、目が覚めてたんだ…
今頃…ゴメン…」
深呼吸をして、全てを話そうとした時だった。
「俺は…捕まえたと思ってるんだけど」
そう言って、見つめられて大きな手に包み込まれた私の左手。
その手に右手を添えた。
「…嘘なの。プロホーズ、されてない。
結婚式に出席するって聞いて、ミカちゃん達に協力してもらったの。
私、別れてもユウの事が忘れられなかった。
プロホーズの話をして、ユウが何も言わなかったら諦めるつもりだった。でも…怖くて言えなかったの。
夜行バスは…高校の時の友達の結婚式に出ただけ…。」
最初のコメントを投稿しよう!