2. I hate ×××

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中学校に入学して数週間 あの一件以来、ゲームセンターに入り浸るようになった。 ここにいれば、小さな自分をカツアゲのカモにしようと狙ってくる不良はたくさんいて退屈しないから。 どうやら短い学ランは不良のトレードマークらしく、こんなにも小さくて小学生中学年のような顔をした自分が着ている事が目立つ要素になっているようだ。 自分がどうなってもいい分恐怖心がない自分は相手の事もどうなってもいいと思うのか、平気でその辺にあるもので容赦なく殴りつける事が出来たからあっさり早い段階で下のズボンも戦利品として得ることが出来た。 毎日勉強や部活に励んだりするわけでもなく、ただぼんやりと時間を浪費して生きているだけの自分にとって殴り合いのケンカは最高の憂さ晴らしで楽しめる瞬間だ。 それも派手に暴れられるのならできるだけ派手な方がいい。 より終わった後で爽快感を味わえるから。 体格差が不利になるかと思いきや、自分が加減なんて知らない滅茶苦茶な攻撃に出るからか負けたことは今はまだない。 そのうち、自分は“加減を知らない危ないチビ”という認識がこの辺りではされてきたらしい。 『うん~…。でもずっと武器に頼らないといけないのもなんかカッコワルイよね』 そう思いながら毎日ゲームセンターで格闘ゲームをやりこんでいると、飛び技はさすがに出せないのはわかっているが派手な体術系の攻撃をずっと見ているうちに自分もこんな大技がしたいと思うようになってきた。 昔、よく見ていた戦隊ヒーローもののような派手な飛び蹴りとかしてみたい。
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