4. His precious ones

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この地に住んで早1年。 俺も2年生になった。 マヒロくんやハヤトと同じクラスになりたいと思っていたのに、残念ながらバラバラ。 唯一の救いは、体育の時間はマヒロくんと一緒なこと。 ハヤトだけ仲間外れで「あの教師ども、シメてこようか」とすごく怒っていた。 「マヒロくーん、体育次バスケやって~。いこ」 「だるいのに…。行くんかよ」 他の授業ならサボるけど、体育はスキなので皆勤。 マヒロくんと体育館に向かう途中、すっごくじろじろといろんな女子に見られた。 『………クソが。どーせ俺とマヒロくんが並んで歩いてたら大人と子供位の身長差がありますよ』 それでもつい最近身体測定で測ったら、遂に150センチ台に突入出来たことに俺は最近ご機嫌だ。 まあ、俺が伸びたって事はマヒロくんも伸びてるんだけど………。 でも俺のめんどくさくてもきちんとやってきた日々の栄養への配慮が功を持したのかと思うと嬉しい。 体育の授業中も絶好調に体を動かしてマヒロくんと別れてから自分の教室に帰ろうとしたら 「楢崎くん!!」 「んあ?」 名前もクラスも知らない女子二人組に呼び止められた。 「ちょっといい?」 何故か非常階段のところまで呼び出された俺。 一体なんなの。 状況がわからないまま、ぽけ~っとその女子二人組を見つめる俺に、女子Aが(二人いるのでAとBと勝手に命名)切り出してきた。 「楢崎くんって、マヒロくんと仲いいよね?」 「え?うん」 『まあ、仲イイよね。毎日一緒に昼飯食うしね』
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