1-2 白櫻庭園

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壁を目の前に、ささげが振り返った。 真剣な眼差しを向けてきたため、思わず黙りこくる。 「えーっと、君は自然界に来たばかりの人間さん?」 「うん。そうだけど」 「……後悔、しない?ちょっとショック受けるかも」 どういう意味だかわからなかった。 でも、ここまで、こんな奥にまで連れてこられて今更何もなく引き返すなんて、何かいやだ。 だから豊は、 「しない」 と、きっぱり言い切った。 返答を聞いたささげはまたさらに振り返って、真っ黒の壁を見上げた。
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