1-2 白櫻庭園

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「じゃ、あの方の場所に行こうか。 豊とやら、目を閉じて、心を無にして」 「……どういうこと?」 「何も考えないの。そうすれば行ける」 「……?」 ささげは簡単に言うが、実際心を空っぽにすることは難しい。 まして、豊は白櫻館の探索に胸を踊らせていた状態だから、なおさらだった。 とりあえず、目を閉じてみる。 目の前に堂々と立ち、行く手を阻む壁が元々真っ黒だったから、目を閉じても壁を見つめてる状態と同じような感覚だった。 そっと呼吸をする。 そうしたら、なんだか眠くなってきた。
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