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人間界で、歴史に関しての授業は大体寝てしまうのだが、豊はささげの言葉をしっかりと耳に入れていた。
「ちなみに、その子…いや、その方の名前は"しらもも"。
今は自然界の神の座にいるの」
豊は立ち上がった。
すぐに踵を返し、桃の大木を見上げる。
そして、静かに合掌し、目を閉じてお辞儀をした。
その様をささげは黙って見つめる。
「きっと、しらもも様も喜ぶだろうね。今じゃ、こうして豊くんみたいな人間が自然界に来て、歴史を学んでいるんだもの。当時じゃ考えられない光景だね」
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