1-3 白櫻館の小さな霊

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 翌日ーー  朝6時台に目が覚めた。新しい環境に興奮が収まらず、夜は遅く朝は早起きだった。  借りた部屋は2階の一室。 吹き抜けから顔を覗かせる。ロビーには誰もいないようだった。  昨日の夜にも白櫻館を探索してみたが、どこも抜かりなく豪奢に飾られ、人間が来ることを配慮してか、トイレも風呂も食堂もあって、何だか高級ホテルに泊まっている気分だった。 食堂は、階段裏の廊下から見て、四角い図書館の右側の壁の向かいにある。 半分寝ぼけながら階段を降り、図書館があるフロアに行こうとした時、林檎とバッタリ。 豊の顔を見た瞬間、林檎は子供みたいに頬を膨らませて、ブスッと不貞腐れた。 「アンタなんか!風雅に似合わないんだからね!風雅は林檎様のもの!!テストに出るよ!」 言いたい放題ぶつけてきて、林檎は通り過ぎて行った。 やれやれと、豊は肩をすくめる。 あそこまで自身過剰なのは、ある意味すごいなと思った。 ーーまあ、実際風雅は満更でもないようだが……。
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