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またさらに食堂を目指して足を進めようとする。……が、
「他人から恋人を盗むとは何事じゃい!」
突如、声色の割に随分と老婆くさい口調の声が響き、両肩を上げて驚いた。
声の先を確認しようとするが、前を見ても後ろを見ても何もいない。
キョロキョロ挙動が怪しい豊の姿を声の主は見たらしく
「ホホホ、上じゃ、上」
と、半笑いを交えて言った。すかさず天井を見上げると、そこには、髪も服も全体的に白いショートヘアの少女が、まるで爬虫類のように天井に張り付いていた。
「きょ、巨大ヤモリだぁぁぁぉぁぁ!!」
「なっ!? 違わい!!シノビじゃシノビ!!」
少女は天井から手足を離し、ふわふわと舞い降りて豊の前に立った。
今まで色んな装飾を施したヒューマプラントを見てきたが、どういう原理で頭の上を浮いているのかわからない天使の輪を付けた子は初めてだった。
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