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「むう、嫌なのか?せっかくこんな美少女がお散歩連れてけと強請っているのに、お前さんはそれを断るのか?良いのか?」
のほほんとマイペースそうな顔立ちだから、真剣な顔でずいずいと迫られてもまるで迫力がなかった。
美少女……いや、まあ確かに可愛いのかも知れないが、決して美しくはないような……。
というか、喋り方一つで見た目もすべて台無しである。
どうしようか考えていたら、とうとう、少女は両手を上げて憤慨した。短気である。
「ええい!連れてけ連れてけ!我は暇じゃ!暇暇暇暇暇暇!!」
さらに、真紅の絨毯に寝転んで、ジタバタと駄々をこね出した。
ーーここまで言われたら、断るわけにはいくまい。さらに断ったら、何か飛びかかってきそうだし……。
豊はこの少女の散歩に付き合うことにした。
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