1-3 白櫻館の小さな霊

5/14

120人が本棚に入れています
本棚に追加
/812ページ
「むう、嫌なのか?せっかくこんな美少女がお散歩連れてけと強請っているのに、お前さんはそれを断るのか?良いのか?」 のほほんとマイペースそうな顔立ちだから、真剣な顔でずいずいと迫られてもまるで迫力がなかった。 美少女……いや、まあ確かに可愛いのかも知れないが、決して美しくはないような……。 というか、喋り方一つで見た目もすべて台無しである。 どうしようか考えていたら、とうとう、少女は両手を上げて憤慨した。短気である。 「ええい!連れてけ連れてけ!我は暇じゃ!暇暇暇暇暇暇!!」 さらに、真紅の絨毯に寝転んで、ジタバタと駄々をこね出した。 ーーここまで言われたら、断るわけにはいくまい。さらに断ったら、何か飛びかかってきそうだし……。 豊はこの少女の散歩に付き合うことにした。
/812ページ

最初のコメントを投稿しよう!

120人が本棚に入れています
本棚に追加