1-3 白櫻館の小さな霊

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 二人で並び、真紅の絨毯の上を歩いてロビーへ向かう。 さなか、何のヒューマプラントなのか聞いたら、少女は桃と答えた。 「桃かぁ。あれ?でも、桃って、こももがいなかったっけ?」 はじめ白櫻庭園に来た時、中央の噴水へ向かう途中にあったベンチに座っていた、薄ピンク色のボブヘアの少女。たんぽぽのぽぽと一緒にいて、確か名前はこももだったはず。 隣の桃の少女は、また口に手を当てて「ほほほ」と微笑した。 「はて、ならばなぜそのオナゴは"こ"ももだと思うかね?」 「え?……小さい桃みたいな?」 「わたしゃ意地悪だからおせーない」 白い歯をみせていやらしく笑い、桃の少女はそっぽを向いた。 自分から聞いといて、実は答えを知っているそぶりだった。
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