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風雅が座って、あくびをしたとき、豊の背後にいたさくらが前に出てきた。
そして、
「久しぶりでーす。風雅様」
と、ぺこりとお辞儀をした。
すると風雅は、眠たさの余り一度下げた顔を再び上げた。
「おお、さくらか。しばらくぶりだな。元気そうでなによりだ」
「はい♪ それで、今日は人間の豊さんを連れてきたのですが……」
「……」
さくらの紹介を聞き、再び風雅は豊を睨みつけた。
ーー何だか、心の奥底まで見抜かれそうで落ち着かなかった。
ジッと10秒ほど見つめたあと、風雅は椅子から立ち上がる。
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