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「……た、確かに」
返答に困る豊。
「……と、まあそういう事にしておいてくれ。ぶっちゃけ面倒臭いのだ」
「……え?」
「うむ」
(いや王がそんな事言っちゃだめだろ!!)
両目を閉じて静かに頷く風雅に対し、声にならない声でツッコんだ。
……と、その時、部屋の扉が勢いよく開いた。
両開きの扉を大胆に開けたのは、赤いベレー帽を被った、林檎のような格好の少女だった。
ひめりではない。ひめりよりも身長が高いし、林檎のようなベレー帽の飾りは五枚の花びらではなく、白いリボンだ。
そして、今扉を開けた少女の服装は、ひめりのものよりフリルがない。
「風雅ー!!林檎ちゃんがデートに……って!誰その男!!」
入って早々、一人でギャーギャー騒ぎ出した。
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