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デートだとか騒ぐ林檎に対し、風雅は全く動揺していない。こんなことは日常茶飯事なのだろうか。
「おお林檎か。丁度良い、その人間に白櫻館の案内をしてやれ。
恐らく、その人間は人間村へ行くのを嫌がるからな」
「え……?」
豊の頭の中で、人間村という単語が嫌というほど響き渡った。
その豊の反応を見たさくらはすかさず説明する。
「人間村はね、秋の世界 豊穣の里にある、その名の通り人間が住む村の事だよ。長は稲のヒューマプラントの稲穂ちゃん」
「……そうなんだ」
確かに人間が住まうところなんてもう嫌だ。人間が嫌いなんて、風雅に対して一言も言っていないのに……
やはり、さっきジッと見つめられた時に全てを読みとられたのだろうか。
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