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散々騒いだ結果、結局林檎は風雅にゲンコツされて渋々従った。
部屋を出てつきあたり、階段の前に来て、前を歩いていた林檎がくるりと振り返った。そして怪訝そうに豊をジロジロと見つめる。
「んで、アンタ結局風雅とどんな関係なの?」
「……いやだから、何もないって!俺今日初めてここに来たし」
「……証拠は?」
「しょ、証拠?」
林檎に冷たく言われて、少しムキになり、証拠に当たりそうなものを探し出そうと考える。
しかし、
「……あやしい。とにかく!風雅はこの林檎様のなんだからね!!」
林檎は吐き捨てるように言って、右側の廊下を進んでいった。
「な、何なんだあいつは……。恋愛に性別の差なんてないとでもいうのか?」
残された豊は一人、下へ続く階段を前にブツブツ呟いた。
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