1-2 白櫻庭園

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 一方、部屋に残ったさくらと風雅。 さくらは風雅に軽くお辞儀して踵を返し、部屋を去ろうとする。 しかし 「……これは、お前の贖罪か?」 と、風雅はさくらの背中に問う。 「……」 刹那、部屋の中には何の物音もしなくなる。 「……そう…見えますか?」 「ああ。むしろそうにしか見えんな」 さくらは足を止めて、物憂げに白く塗られた天井を見上げた。 「そんなつもりはなくても、そうなのかも知れません。 あの子の代わりに、不幸な人間を幸せにする。 いつのまにか、私なりの答えが出ていたようです」 さくらの言葉を聞いた風雅は呆れてため息をついた。 「……その幸せは、誰にとっての幸せなのだろうな。 お前の勝手な想像の幸せを、他人に無理に押し付けて本当に当人は幸せなのだろうか」 「……」 「お前は生真面目すぎるのだ。すぎた事を気にしていても、きりがないだろう。 いい加減、前を見つめたらどうだ?」 「……そう…ですね……」 さくらは振り返る事なく風雅の部屋を出ていった。
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