1.I hate you!!

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 きょとんとして見上げた先で、伊吹が心配そうにこちらを覗きこむ。 「体調はどう?気分はよくなった?」 「え?あ、うん!伊吹くんと話してたら楽になった」 「そっか、よかった」 「でも、戻りたくはないな……」  思い切って告げたのだが、何故か伊吹は哀しげに眉を下げ、困ったように頭を掻いた。  一緒にこの場を抜けようという意味を込めたつもりだったが、どう受け取ったのだろうか。   「……わがまま言ってごめんなさい」 「夏樹のことだけど」  フォローしようと重ねた言葉にかぶせるようにして、伊吹は真剣な声音を零した。  どうしてここで夏樹が出てくるのか、疑問を抱いて小首を傾ぐ。 「へ?」 「誤解しないで、悪い奴じゃないんだ」 「……」 「ちょっと変わってて…。人間好きというか、みんなと仲良くしたいだけなんだと思う。それにあの容姿だし、冷たくされることって滅多になくて。だからきっと、みのりちゃんに興味を持ったんじゃないかな。本当、悪気はないんだよ」 「……うん」 「夏樹のせいで気分を害したなら、ごめん」
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