1.I hate you!!

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 突然のみのりの登場に瞠目する周囲の様子など、視界にも入らない状態だった。  一刻も早く携帯を奪取して、夏樹に捕まることなく、この場を去ることが目標だ。  そしてみのりは、絶望した。 「やあ、みのりちゃん、探し物はこれかい?」  声をたどり目線をあげれば、したり顔でみのりの携帯を見せびらかす夏樹がいた。  最悪だ。 「か、返してください」 「いいよ~別に。ここまで取りにきたらね」 「壊れてもいいから投げてくれませんか」 「その労力ぶん、あんたが何かしてくれんの?」 「……」  本当、最悪だ。  苛立ちも頂点まで達する寸前だが、伊吹が待っていることを考えると、うだうだしていられない。 「あの、私もう帰るんで…!」 「みのりちゃん、そう言わずに座らない?」  と、思った矢先の伊吹の登場。  唖然としてしまった。 「あ、い、伊吹くん……えと……」 「ほらほら、いいから座って座って」  まさか、伊吹まで敵にまわるとは。  くっと、苦虫を噛んで、みのりは促されるままに席に着く。  隣が伊吹なのはありがたいが、正面には顔も見たくない夏樹がいた。  思わずため息を漏らしてしまいそうだ。  
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