1.I hate you!!

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「携帯はあった?」 「う、うん。あったけど、あの人が返してくれなくて……」  ちらりと様子を伺えば、グラスを片手にじっとこちらを見つめる夏樹と目が合った。  びくりと肩を震わせて慌てて視線をそらすと、向かいではぁと息をつくのが聞こえた。  うんざりなのはこっちの方だ。  内心ムッとして再び目をあげ、夏樹を睨みつける。 「感じ悪~。人のこと顔だけで判断するとか最低~」 「中身だって、いいとは思えていないんですけど」 「あ?」  凄まれて逃げるように伊吹の後ろに隠れると、伊吹が困ったようにはははと笑った。 「ケンカしないの」 「でも伊吹くん、この人怖いんだもん」 「そりゃ初対面でいきなり嫌われたら、こっちだって気分悪いだろ!」 「だったら関わってこなければいいでしょう!」 「そんなかっこ悪いことできるかーっ!!」  夏樹の言い分は全く理解できなかったのでスルーしよう。 「伊吹くん、ごめんね。私ホント今日はもう帰るから」
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