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嬉しくなって「ありがとう」と微笑み、みのりは早速アドレス交換をと画面を開く。
「……つまんねーの。俺はただ、みんなと仲良しになりたいだけだっつーのに」
「分かってるよ、夏樹。けど、みのりちゃん嫌がっちゃってるから、ほどほどにしてあげなきゃ」
「そんなこと言ったってプライドがゆるさねーっつうかなんつうか」
夏樹の声など聞こえもしない。
自身のアドレスを転送準備して、意気揚々と伊吹の腕を引く。
「伊吹くん受信して?私送るね」
「猫かぶりやがって。あんた絶対そんなおしとやかじゃねーだろ」
ばれてるし。
「夏樹くんには…関係ないでしょ」
好きな人の前だから可愛くいたい。
それは女の子なら当然の心情だ。
とやかく言われたくないし、そもそもおしとやかじゃないなんて、会って数分の人に決めつけられたくない。
「関係ないねっ。こんな可愛げのない奴初めてだよ。あーやだやだ」
「それはこっちのセリフです。だから…あなたみたいな人、嫌いなのよ」
「……っ!」
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