1.I hate you!!

19/26
前へ
/219ページ
次へ
 心からの嫌悪をこめて発した言葉に、さすがの夏樹も堪えたようで、唇を噛んで俯いた。  それ以降夏樹には一切の反応を示さずに、みのりはアドレス交換を終えると、もくもくと並べられた料理を食べ、時が経つのをひたすら待ったのだった。 *** 「それじゃあ気をつけて帰ってね。んじゃ、解散」  伊吹の声に、合コンの集団は二手に別れた。  不幸にも伊吹とは反対の道で、不幸にも夏樹とは同じ方向の帰り道。  みのりと夏樹の他に2人いたのだが、早々に分かれてしまった。  二人きりになって、気まずい空気とイライラに耐えられず、みのりは思わず声をあげる。 「わ、私、一人で帰れますから……!じゃ!」 「おい、ちょっと待ってよ!」  がっしりと腕を掴まれて、逃げそこなったみのりは、絶望的な気分で苦虫を噛む。 「あの、離してくれませんか」 「今何時か分かってんのか?1時だぞ。さすがに一人じゃ帰せねぇって」
/219ページ

最初のコメントを投稿しよう!

265人が本棚に入れています
本棚に追加