1.I hate you!!

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「わ、私、ウーロン茶でいい」  小さく声をあげたみのりに、微笑みかけた彼は、頷いたのちに「ありがとう」と口にした。  夏樹の登場で沸き立つ女子の中、反応を示したのはみのりだけだった。  おそらく嬉しかったのだろう。  なんだかいいことをした気分になって少し照れてしまった。 「あの、えーっと、お名前は?」 「え?俺?」    不思議そうな顔をしてみのりを凝視した後、ふっと微笑んで名を告げた。 「菅原伊吹」 「伊吹くん…」  爽やかな彼にぴったりの名前だと思った。  夏樹に群がる女子を見ながら、困ったように笑っている伊吹に、みのりは更に声をかける。 「伊吹くんが幹事なの?」 「ああ、そうなんだ。夏樹が来ちゃったら収集つかないな、不甲斐ないよ全く」 「そんなこと、ないよ」 「……ありがと、みのりちゃん」  不意に呼ばれた名前に目を瞠り、みのりは小首を傾ぐ。 「え?なんで名前を…?」 「ケータイのストラップ」 「あ……」  さされた指の先をたどり、みのりは自身のケータイについているストラップを見た。  なるほど。
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