1.I hate you!!

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「みーのりちゃん?」 「……」 「かわいい名前だね。いくつ?」 「……」 「学校はどこ?」 「……」 「ねぇ、何で無視ー?俺なんかしたっけ?」  凍りついたように動けないみのりに対し、しつこく親しげに話しかけてくる夏樹。  みのりの冷や汗は止まらない。  みのりの態度が、伊吹に対するそれと打って変ったのは、火を見るよりも明らかだった。  イケメンと関わるとロクなことがない。  これは絶対に違わぬ事実だ。  頭の中で呪文のように唱える。 「い、いえ別に……」  ごくりと唾を飲み下して、ようやく必死に絞り出した声はそれだけだった。  みのりが狙っているのは伊吹だ。イケメンさまさまなんて恐れ多い。  伊吹だけと話せればいいのだ。メアドが聞ければ万々歳だ。  なのに、どうして、よりにもよって、夏樹が話しかけてくるのか。 「話しかけてんのに、見もしないってどういうこと?俺の経験上ありえない」  ほら、そういうところ。  自分はかっこいいからって何でも許されると思ってる。  入って欲しくない領域に踏み込んでいるなんて、考えもしないくせに。
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