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子供、なのだろうか。青の着物に赤の帯。おかっぱ頭にトリコロールカラーの傘をさした、ふくふくした頬の子供。
野球場とはいえ、いささか変わった格好ではある。しかしもっと変わっていると思ったのは、それが3人、全く同じ格好の全く同じ顔でこちらを見ているのだ。
あえて顔文字で表すと、( ´ ▽ ` )のような顔である。
「( ´ ▽ ` )よおお前。神宮球場は初めてか?」
三角の口をぱくぱくさせて喋る子供。いや、子供なのか?
「えっとぉ……」
「( ´ ▽ ` )あー、俺ら同じ顔だけど気にせんでくれ」
「いや気にします」
とてもじゃないが、着物を着た三つ子に話しかけられて、ぎょっとしない筈がないと思うのだが。
しかもショタ声でだいぶオッサン口調である。
「( ´ ▽ ` )俺らはな、お姉さんみたいな神宮球場に、スワローズにはじめて来た人を歓迎するのが役目なんだ」
「( ´ ▽ ` )ほかにもまあやることはあるが」
「( ´ ▽ ` )とりあえずはまぁこれでも食べるがいい」
「何この子達偉そう」
そう言って差し出されたのはウインナーが盛られたスチロールの器……大盛りの。
「え、何ですかこの親の仇みたいに盛られたのは!?」
「( ´ ▽ ` )神宮名物のひとつウインナーのメガ盛りだ」
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