迷いの森

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今までの氷淵の器と選ばれた者は、髪が白く変わりはじめて、二年も 経たずに氷淵となっていた。 「しかし、夢焔殿は髪が白くなりはじめたのが赤子の頃でしたから…。それに獣姿だとまだ毛の色は黒に近い灰色なんです。普段洞窟内で守られている夢焔殿の姿に関する話をどこから聞いたのか知らないが、若い者達は一つの仮説をたてたようで。」 「まぁ、氷淵様の器と聞けば、聞こえはいいからな。でも、若い衆が何を夢焔殿にすると言うのですか?」 葉憐は昔、氷淵の器と偽って罰せられたものの話を思い出していた。 「もし、夢焔殿が偽の器と勘違いされたまま、若者たちに襲われたらどうするのですか?まだ、氷淵様の器として未熟な夢焔殿は魔力がほとんどありません…。」
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