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「順子ちゃんこれどうすんの?」 「そこの緑のファイルに入れてください。」 「順子ちゃんこの資料って何処?」 「一番奥の棚に入ってませんでしょうか?」 「順子ちゃん発注の画面が出ない。」 「…」 「無視かよ!」 朝から「順子ちゃん」って煩い。 昨日教えたばかかりでしょうが! メモしときなさいよ! マウスをカチカチ押してる音が余計耳障りに聞こえる。 「前山さん。順子ちゃんってやめてもらえませんか?」 「何で?同い年なんだから良いじゃん。それよりほれ、画面!」 一度溜息をついて椅子ごと前山の隣に寄った。 「あれ?ホントだ!」 と前のめりに画面を覗きこむ。 「だから言ったろ?」 「すみませんね。私のパソコン使いなよ。」 と椅子から立ち上がり後を向いた瞬間、腕を引っ張られて前山の膝の上に座る形になった。 「ちょっと何するのよ!」 慌てて立ち上がり離れた。 絶対わざとだ。 皆から見えない程度に腕を引っ張った。 「濱野うるさいぞ!」 「すみません部長。濱野さんがキャスターに躓きそうになったんですよ。大丈夫でしたか?」 部長に猫被りの顔を見せた後、私には口角を上げ企みの笑顔を見せた。 「濱野、新人に助けられたんだからお礼くらいしろよ。」 「クッ!あ、ありがとう。」 「どういたしまして。」 ニコッと笑った前山に怒りがこみ上げた。 「なんなのよ!アレは!」 「別に。前見ろよ!」 営業車の助手席で足を組んで偉そうにしている前山に怒りをぶつけた。 「もう無理。担当変えるから!」 「え~?俺順子ちゃん気に入ってるんだけど。」 「はぁ?誂うのもいい加減にして!」 「好きな子誂うのって男の子の特権だろ?」 何言ってんの? 馬鹿なの? 冗談でしょ? 話をするためにコンビニの駐車場に車を停めた。 「言ってる意味が分かりません。」 「さっき言ったじゃん。順子ちゃん俺のタイプなんだよねぇ。」 シートベルトを外して助手席から身を乗り出し私の顎を掴んだ。 「お前藤山管轄部長と付き合ってんだろ?あんなオッサンのどこが良いわけ?」 「アンタには関係ないでしょ!」 「あるよ!言ったろ?タイプだって。なァアイツなんかやめて俺と付き合えよ。」
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