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そろそろ肌寒くなってきた頃 "危ないから送る" そう言った幼馴染みであり親 友をやんわりと断り薄暗い道 を1人歩く 「寒いなぁ」 ふと通りかかった公園を見る と1人の男の子がいた 「…あれって、」 彼は噂などに疎いあたしでも その存在を知っている 近くで見たことはないけど、 遠目で見てもそのオーラが他 の人とは違うのがわかる 與 真司郎 それが彼の名前。 学年で1番かっこいいんだとか 「…誰。」 「あ、ごめんなさい…っ」 あまりにも彼を見すぎていた らしい。低いハスキーボイス にあたしの肩はビクッと動く 「…あんた、伊藤。」 彼は徐にあたしとの距離を縮 めるとそう呟いた "なんで知ってるの?" そう尋ねようと顔を上げた所 であたしの思考はストップし た 「……っ」 はじめて近くで見た彼は言葉 を失うほど綺麗で、だけどど こか寂しそうな、泣いている ような瞳があたしを釘付けに した
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