story0

3/12
前へ
/16ページ
次へ
「…おい、」 「あ、ごめんなさいっ!あの、失礼します…っ!」 勢いよく頭を下げるとあたし は走ってその場を後にした 今まで肌寒いと感じていたは ずなのに今は全身から火がで そうなほど熱い …そして、胸がギュッとなる ような、そんな傷みがあたし を襲う …恋? あたしが? そんなはずはない そう思いたいのだけれど、彼 の瞳を思い出すとそれが恋だ と認めるしかないみたいだ 「…與、くん。」 彼の名前を口にするだけなの にやけに緊張して、手が震え る あたしの初恋は16歳の肌寒い 秋だった
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

185人が本棚に入れています
本棚に追加