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朝、いつものように交差点を通る。
ザッ、ザッ、ザッ
いつもの音がある。
周りの人も特に気に留めず、私も気に留めず、歩き出す。
学校に着いた。
昇降口には生徒指導の教員。
私は短くしているスカートを少し伸ばした。
「おはようございます」
「おう、おはよう」
よし、無事に通れた。
そのまま靴を履き替えて教室に入る。
「あ、唄乃おはよう」
教室には幼なじみの月穂がいた。
普段は一緒に登校するが、今日は早めに学校でやる事があったらしい。
「おはよう、月穂」
彼女は私の前の席。
私が席に着くと、月穂は体を横に向けて私に話してきた。
「ねえ、新しい部活できたの知ってる?」
「部活?」
月穂も私と同じ、帰宅部。
「そうそう。オカルト研究部」
オカルト研究部…
「それはまた怪しい部活が出来たね」
オカルトということは、幽霊やUFO、UMAを研究するのだろうか。
宇宙人の存在は否定しないが、幽霊など存在するかも分からないものを高校生が研究したところでどうにもならないだろう。
「怪しいよね。でも、どんな人がやっているのか気にならない?」
それは……確かに興味がある。
「行ってみない?入部希望って事にしてさ」
目を輝かせて提案してくる月穂に気圧されて、つい私は
「…良いかもね」
と言ってしまった。
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