あの頃、まだ幼かった僕らは無邪気で

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楓麻は、悠里が言うことを聞くまで絶対に引き下がりはしない頑固で面倒くさい幼なじみだ。 今「女の子らしく」なんて話を延々とされるのは正直、気が滅入る。     こちらの様子に楓麻が不思議そうに首を捻ったけれど、何があったかなんて話すことじゃない。 こんな汚い世界があることを、お前は知らなくていい。 (それにこんなこと楓麻が知ったら、こいつなら本気でうちのバカ親殴り込みに行きかねねーな) 「何笑ってるのさ?」 「いやいやなんも。なぁ、せっかくだから一緒に花見でもするか」 「ああ僕、今向こうで家族とバーベキューしてて」 「ばぁーべきゅう? ちっ、そりゃ豪勢な晩飯だな」 「その…よかったらユーリも…一緒にどう?」
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