1083人が本棚に入れています
本棚に追加
/389ページ
それでも甘やかしてとねだられれば、断らない誘惑に勝てるはずもなく。
「じ、じゃあお言葉に甘えられて…」
「おう、遠慮なく甘えられろ」
なにか立場が逆転しつつも、ほどなくして悠里の頭をそうっと遠慮がちな手が撫でてくる。
自然と深い深呼吸が漏れていた。
息ができる。
(ああ、だからオレはがんばれるんだ)
あの家にまた帰っていけるのは、水の中でも息ができてしまえるような感覚。
楓麻がいるから。
最初のコメントを投稿しよう!