あの頃、まだ幼かった僕らは無邪気で

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「ふーーま。」 すっかり沈んでしまった楓麻の顔に、そっと手を伸ばす。   「ゆ…、」 優しく触れられる…と思いきや、ギュムッと頬を抓られて楓麻は豆鉄砲を食らった鳩になる。 「オレは誰の膝の上でも寝転がるヤツか?」 「…、しない」 「だろ。頼りたいときはお前にしか頼らねーんだよオレ。でも〝これ〟は頼りたいとか助けてもらいたいとか、そんなふうに思ったことないんだ。オレが、そうしたいからこの暮らしを続けてる」 「でも…ユーリが傷をつくってくるのに、僕は平気じゃいられない…」 「ん…それも分かってる。さんきゅ、」
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