あの頃、まだ幼かった僕らは無邪気で

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「よっ。悪いな、お前んちにまで迷惑かけちまったな」    「…!?」 悠里のあまりにもいつもと変わらなさすぎる調子に、楓麻は一瞬愕然としてしまう。 「ユーリ…? 無理してるのか?」 「あ、やっぱここって泣くとこか」   困ったように苦笑して人差し指で頬を掻く悠里は、たった今しがた父親を亡くしたとは楓麻でさえ見えないほど気丈だった。  
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