隧道の果てには

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「まさか中級魔法使うとは、嫌いな奴だけどすげぇな」 ジョンが驚きながら、拍手をする。 ミチはそれに頷く。 ジョンから貰ったパンを食べることも忘れ、闘いに見入っていた。 刃引きされているとはいえ、襲いかかる薙刀を難なく受け、すかさず魔法を執行。 これが魔導士同士の闘い。 あそこで俺も闘うのか。 「おいパン潰れてるぞ」 ジョンが笑いながら突っ込む。どうやら握りしめてしまったらしい。 「あ、ギンタ出てきたぜ?あいつ躓きやがった!うはっ!」 慌てて顔を上げると、ギンタが緊張した面持ちで歩いている。手には既にカリバーンが召喚されている。 「ギンターっ!!頑張れよーっ!!」 ジョンが大声で応援をする。 「始めっ!!」 エマの声と共に、闘技場に立つ二人は駆け出す。 ミチは、戦うギンタを見ていた。 相手は使い魔である剣を縦に振るう。間一髪でギンタはそれを避ける。そして次はギンタが魔法を振るう。 どれかが当たれば有効打。下手をすれば一発で気を失ってしまう。 その豪快な攻防に、思わずミチは手に汗を握る。
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