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このマナリアのヒトの文明は、千年前に一度滅んだと言われている。
それの証拠として、世界には現代に残された古代遺跡なるものが存在している。
その中で唯一、生き残ったヒトたちがまた一から文明を築きあげて来た。
村を作り、それが広がり国となった。その初代国王が現国王メランズォラークの祖先にあたる人だ。
国は国土を広げようと試みるが、障害があった。
それは兇魔(きょうま)の存在。
元々マナリアに住まう全ての生き物はヒトと同様にマナを有しており、総じて『魔物』と呼ばれている。それはヒトの飼う家畜であったり、はたまた龍や精霊なども挙げられる。
だが『兇魔』は、千年前の文明滅亡と同時期に現れたと言われている。
魔物は命在る生き物。
兇魔は形を成した邪の塊。故に生命は無いが、命を刈り取る意思を持つ邪鬼である。
何故出現したのかは解明されていない。だが、その兇魔が文明を滅ぼしたという諸説が一番有力だった。
兇魔もヒトと同様にマナを扱い、その凶悪な闘争本能を前に、国は無闇に国土を広げることはしていない。
それ故に、マナリアに新たな文明が築かれてから、未だ踏破されていない土地があった。
それは未開の地と称され、そこには兇魔が多数存在しており、まだ見ぬ古代遺跡が数多残されているという。
そんな兇魔を相手とし、そして未開の地を探求するヒトが集まった組織、それがギルドだ。
魔導士として屈強なヒトのみが所属でき、その兵力を賜物にし南国メランズォラークの国土内にありながら、一つの独立国家へと発展した。
メランズォラークとの関係は友好で、お互い助け合いながら兇魔を退け国民を守ってきた。
王都を守る騎士、そして世界を探求するギルドハンター。
このマナリアに、戦闘士なる職業が必要とされているのはそのためだった。
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