ミチの魔道書 上巻

ギルドキャンプの注連縄

それを背景に、オディヌス学園に所属する新一年生は、６月に『ギルドキャンプ』というイベントがある。

実際に、未開の地へと出て一週間キャンプをするのだ。

国土に近い未開の地とはいえ、兇魔が出る危険性もあるそれは、完全なサバイバル。

それは『世界を知る』ために行われている行事だった。

我々は、囲われた平和に生きている。

だがそんな要諦の目的を他所に、学生は浮足立っていた。

何せ、未開の地へと行けるのだから。

ギルドハンターや王国騎士で無ければ立ち入りを禁止されている未開の地へと。

出現する兇魔や魔物も、全て調査されて危険の少ない種類ばかりだから心配は少ない。

そして、なんと言っても友達との野外キャンプ。

楽しくない訳が無い。

ミチのクラスも勿論例外では無かった。

この六月は、ギルドキャンプがある為、一年生の闘技大会予選は無い。

ミチを含める闘技大会初戦突破組は、束の間の休養の月でもあった。